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PATTERN

— Training Pattern

役割転換期の「折れない力」を“使える力”へ

短時間でも実践につなげたレジリエンス研修

本研修は、2〜3時間の短時間でを「理解」から「活用できる状態」へと引き上げることを目的に設計した。調査役補という役割文脈に紐づけ、実在の逆境経験を題材とすることで、受講者が自身の状況に引き寄せて実践イメージを持てる構成とした。

Challenge

背景・課題

本企業では、調査役補への昇格者を対象に、約160名・全4クラスにてレジリエンス研修を実施した。 調査役補は、初めての役付きとして責任や期待が大きく高まるポジションであり、新たな業務領域への対応や、これまで以上に難易度の高い業務に直面することが求められる。 加えて、異動や未経験業務、専門性の深化といったキャリアの節目においては、一時的にパフォーマンスが低下したり、自信を失う場面も少なくない。 実際に現場では、

  • 困難な状況に直面した際に「乗り越え方」が分からない。
  • 感情に振り回され、思考や行動に転換できない。
  • 逆境経験を教訓として活かしきれていない。

といった課題が見られていた。 また、受講者は研修に対して前向きである一方で、与えられた内容を受け身で捉える傾向や、内省の習慣が十分ではないという特徴も見受けられた。 さらに、組織としては「内発・自律・自責」といった人材育成方針を掲げており、単なるストレス対処ではなく、主体的に行動できる人材への変化が求められていた。 こうした背景から、レジリエンスを単なる知識として理解するだけでなく、現場で活用できる形で身につけることが求められていた。

Overview

施策概要

研修テーマ
レジリエンス研修
対象層・人数
調査役補への昇格者 約160名
実施形態
集合型研修(グループワーク中心)
実施時間・回数
約2〜3時間 × 全4クラス(計4回実施)

Features

施策の特徴

01

役割文脈に紐づけたレジリエンスの意味づけ

本研修では、2〜3時間という限られた時間の中で、レジリエンスを「理解」ではなく「活用できる状態」にすることを目的に設計した。

具体的には、調査役補という役割やキャリア文脈に紐づけながら、「なぜ今レジリエンスが必要なのか」を個社に合わせて明確化。 さらに、実在の人事担当者の逆境経験を題材とし、「悩む状態から、考え行動する状態へ移行するプロセス」を具体的に描くことで、受講者が自身の状況に引き寄せて理解できる構成とした。

02

感情から行動までをつなぐ一貫した設計

研修内では、以下の流れで進行した。

  • 自身の逆境経験を振り返るワーク(逆境グラフ)
  • 感情のラベリング(状態の可視化)
  • 捉え方の転換(SPARKモデルの活用)
  • 行動選択の検討(現場での実践イメージ化)

また、講義中心ではなく、やグループワークを多く取り入れ、受講者同士の対話を通じて気づきを深める設計とした。 なお、本研修は2014年度の導入以降、受講者の特性や現場の課題に応じて改善を重ね、2017年度以降は完成度の高いプログラムとして継続実施されている。

03

研修の様子(SPARKワーク)

研修では、自身の過去の経験をもとに、「出来事・感情・捉え方・行動」を整理するワークを実施。

参加者は、これまで無意識に捉えていた感情や思考を言語化し、同じ出来事でも捉え方によって行動が変わることを体感していた。

グループワークでは、

  • 不安や葛藤といったネガティブな感情の共有
  • 異なる視点からの捉え方の提示
  • 行動の選択肢の広がり

といった対話が生まれ、単なる知識習得に留まらない深い内省が促進された。 また、実在の事例をもとにしたストーリーを通じて、「レジリエンスを活用することで、悩み続ける状態から抜け出せる」というイメージを具体的に描く様子が見られた。

Results

成果(研修後アンケートより)

本研修は単年度の取り組みに留まらず、複数年度にわたり継続実施されたことからも、受講者および組織双方にとって有効性の高い施策として位置づけられている。

各年度のアンケートにおいても、一貫して以下のような声が確認された。

01

自身の状態や感情への気づき

  • これまで無意識だった自分の感情や思考のクセに気づくことができた
  • 感情を言語化することで、冷静に状況を捉えられると感じた
02

捉え方を変える視点の獲得

  • 同じ出来事でも捉え方次第で行動が変わることを実感した
  • ネガティブな状況でも、前向きに捉え直す視点が持てた
03

現場での活用イメージの醸成

  • 実務の中でどのように活用できるか具体的にイメージできた
  • 今後、困難な場面でも今回の考え方を活かしていきたい
04

自身の働き方・キャリアへの再認識

  • 立ち止まって自分を見つめ直す良い機会になった
  • 自分の価値観や働き方を見つめ直すきっかけになった
05

対話を通じた気づきの深化

  • 他の受講者の考え方を聞くことで、新たな気づきが得られた
  • グループワークを通じて理解が深まった

また、2020年度はオンライン形式での実施となったが、対話を中心とした設計により、対面時と同様に内省や気づきが促進されていることが確認された。

Conclusion

まとめ

本事例は、昇格という役割転換期において、レジリエンスを“知識”ではなく“使える力”として再設計した取り組みである。 ・個社の文脈に合わせた意味づけ ・実在のストーリーによる自分ごと化 ・感情から行動までをつなぐ一貫した設計 ・対話と内省を重視した運営 を組み合わせることで、限られた時間の中でも、受講者が「現場で活用できるイメージ」を持つ状態を実現した。 また、本研修は継続的な改善を前提に設計されており、複数年度にわたり実施される中で完成度を高め、組織に適応したプログラムへと発展している。 レジリエンスのような内面的なテーマにおいても、適切な設計と運営によって、短時間でも行動変容の起点をつくることが可能であることを示す事例となった。

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