実践を前提とした設計
研修を単なる学習の場ではなく、「現場での実践を前提とした振り返りと再設計の場」として位置づけた。
事前に各チームで対話やアクションを実施し、その内容を研修内で共有・再設計することで、学びと現場を往復する設計とした。
— Training Pattern
リーダーの関わりと現場の対話を変え、2年かけて組織全体へ展開した取り組み
本企業のある事業部(約800名)を対象に、を共通言語として導入し、リーダーの関わり方と現場の対話を変化させながら、2年間かけて段階的に組織全体へ展開した事例をご紹介する。
— Challenge
本企業のある事業部(約800名)では、プロジェクト単位での業務推進や高い専門性を背景に、各チームがそれぞれ高い成果を追求していた。一方で、以下のような組織課題が見られていた。
また、メンバーからは「もっと相談しやすいチームにしたい」「意見や指摘をし合える関係性をつくりたい」といった声がある一方で、実際の現場では遠慮や心理的ハードルが存在しており、チームの力を十分に引き出しきれていない状況があった。 こうした背景から、単なるスキル向上ではなく、チームの関係性や対話の質を高める取り組みが求められていた。
— Overview
— Features
研修を単なる学習の場ではなく、「現場での実践を前提とした振り返りと再設計の場」として位置づけた。
事前に各チームで対話やアクションを実施し、その内容を研修内で共有・再設計することで、学びと現場を往復する設計とした。
心理的安全性を7つの尺度で定量的に測定し、チームごとの状態を可視化した。
感覚的に捉えられていた課題を共通認識として扱うことで、対話の質を高める土台を構築した。
心理的安全性を「リーダーだけの責任」とせず、メンバーも含めた組織全体のテーマとして設計した。
各階層に役割を持たせることで、チーム全体で関係性をつくる状態を目指した。
ワーキングチームの発足やベストプラクティスの共有により、組織内で取り組みが継続される仕組みを構築した。
外部依存ではなく、内側から変化が生まれる状態を目指した。
心理的安全性の土台となる「感情や認知の扱い方」にアプローチするため、全社員対象のEQワークショップを実施した。
扱ったテーマ
さらに日々のログや振り返り課題を通じて、習慣化を促した。
初年度は共通言語の形成と実践、2年目は測定と自走化という、2フェーズ設計で事業部全体へ浸透を図った。
2022年度(導入・実践フェーズ)
2023年度(拡張・定着フェーズ)
講演会/管理職研修/EQワークショップ、それぞれ現場実態に即した設計で実施した。
講演会では、心理的安全性の定義や重要性に加え、具体的な行動や対話の進め方を提示。現場の実態を踏まえた双方向のコミュニケーションを重視し、共通言語の形成を図った。
管理職向け研修は対面形式で実施し、チェックインや対話、フィードバックを通じて、心理的安全性を体験的に理解する場を設計。事業本部長によるトークセッションでは、現場の課題や本音が率直に語られ、参加者にとってリアリティのある学びの機会となった。
EQワークショップは、イブニング開催・任意参加とすることで自主的な学びの場を創出。参加者は日常の出来事を振り返りながら、自身の感情や思考の傾向を見つめ直し、実践につなげていった。
— Results
2年間の取り組みを通じて、各チームごとの浸透度合いに差はあるものの、組織全体として関係性や対話の質に前向きな変化が確認された。
定量・定性の両面で以下のような変化が見られた。
これらの結果から、心理的安全性は一律に高まるものではなく、チームの状態や余裕度によって浸透度に差が生じることも明らかとなった。
— Conclusion
本施策は、心理的安全性を単なる概念として導入するのではなく、現場の対話や行動に落とし込みながら、2年にわたり組織全体へ展開した取り組みである。 初年度は共通言語の形成とリーダーの意識変革を中心に実施し、2年目には実践・測定・共有のサイクルを強化することで、組織全体への浸透を図った。さらに、EQトレーニングを通じて個人の内面にも働きかけることで、関係性の質や対話力を支える土台の強化にも取り組んだ。 その結果、「話しやすさ」にとどまらず、助け合い、指摘し合いながら成果を生み出すチームへの変化が見られた。 一方で、組織の状況やチームごとの状態によって変化の度合いには差があり、心理的安全性の定着には継続的な取り組みが必要であることも示唆された。 本事例は、心理的安全性を起点に、組織と個人の両面からアプローチすることで、関係性の質と組織の対話力を段階的に高めていくプロセスを示したものである。
— Other Patterns
対象:入社4年目社員(約200名)
既存の1on1制度を活用し、研修後の行動変容までを設計。
対象:全社員(グループ会社含め約3万人規模)
理解から実践・定着までを一貫設計し、1on1からチーム対話へ進化させた4STEP施策。
対象:全社員(講演)+管理職(リーダー研修)
2ヵ年計画で心理的安全性の共通言語化から関係の質向上へ。強み対話とチームキャンバスで部門間の分断を越える組織変革。
対象:入社1〜3年目の若手社員(約48名)
レジリエンスを起点に、若手社員のキャリア観と行動を変えた実践型研修。
対象:調査役補への昇格者(約160名)
2〜3時間の短時間設計で、レジリエンスを“知識”ではなく“使える力”へ。
対象:若手〜中堅社員+マネジャー層
メンバー研修とマネジャー共有会を組み合わせ、個人・関係性・組織の三層でレジリエンスを高める。