「やりがいの源泉」を再定義する設計
仕事の内容や配属ではなく、「自分の強みや価値観をどのように仕事に活かすか」という視点から、やりがいの源泉を再定義する構成とした。
「やりたい仕事」と「現実の業務」のギャップを埋めるアプローチは、配属や役割を変えることだけではない。自分自身の強みや価値観を起点に仕事への関わり方を見直すことで、いまの業務の中に意味を見出せる状態をつくることを目指した。
— Training Pattern
仕事観の再定義とマネジメントの共通認識形成を通じ、エンゲージメント向上を図った取り組み
本事例では、若手の「仕事観のギャップ」を起点に、個人(若手)→ 関係性(上司との関わり)→ 組織(マネジメントの前提)の3層に働きかけることで、単発の研修にとどまらない変化を生み出した。の視点から仕事との向き合い方を再定義し、マネジメント層の関わり方も同時に見直すことで、エンゲージメント向上を図っている。
— Challenge
本事業部では、若手・中堅社員において、業界や会社に対する誇りは一定水準で維持されている一方、日々の業務に対するやりがいや意味づけに課題が見られていた。 特に、20〜30代の若手層においては、
といった状況が重なり、「やりたい仕事ができていない」という認識が生じやすい状態となっていた。 また、活性度調査においても、チームワーク/機会付与/キャリアステップ実現環境/マネジメントへの信頼といった項目において低下傾向が見られ、特に若手層におけるスコアの低さが顕在化していた。 一方で、マネジメント層においても、若手の状態を感覚的に捉えることはできているものの、どのように関わるべきかについての共通認識がなく、対応が個々の経験やスタイルに依存している状況があった。 さらに、キャリア採用者の増加や部門間の接点の少なさにより、組織としてのカルチャー共有や一体感の醸成にも課題が見られていた。 こうした背景から、若手個人の意識変容に加え、マネジメントの関わり方や組織としての前提を含めて、多面的に見直す必要があった。
— Overview
— Features
仕事の内容や配属ではなく、「自分の強みや価値観をどのように仕事に活かすか」という視点から、やりがいの源泉を再定義する構成とした。
「やりたい仕事」と「現実の業務」のギャップを埋めるアプローチは、配属や役割を変えることだけではない。自分自身の強みや価値観を起点に仕事への関わり方を見直すことで、いまの業務の中に意味を見出せる状態をつくることを目指した。
「明日からの行動変化」につながるよう、知識のインプットだけで終わらせない設計とした。
一連の流れで実施した内容
学び・気づき・実践を分断せず、一連のプロセスとして体験することで、研修後の行動変化に直結する設計とした。
若手研修の内容や参加者の傾向をもとに、マネジメント層向けの対話会を実施。上司側の前提や関わり方の見直しを促した。
対話会で扱ったテーマ
若手向け研修とマネジメント向け対話会を切り離さず、相互に接続することで、個人の意識変容を組織側からも支える構造とした。
対話会ではフリーディスカッションを中心とし、資料に依存せず、現場の悩みや疑問を率直に共有する場とした。
形式的な理解にとどまらず、参加者自身が考え、納得するプロセスを重視。一方通行のレクチャーではなく、自らの言葉で語ることを通じて、関わり方の見直しを自分ごと化する設計とした。
初年度の実施結果を踏まえ、対象層の拡張やカリキュラムの調整を行いながら、次年度も継続して実施。
一過性の施策ではなく、組織に根づく取り組みとして展開。年度ごとに改善を重ねることで、施策の質と組織への浸透度を継続的に高めている。
若手向け研修では、個人ワークとグループワークを組み合わせながら、自身の強みやこれまでの経験を振り返り、仕事との関係性を再整理するプロセスが行われた。
当初は内省中心の静かな立ち上がりであったが、ワークや対話を通じて徐々に参加者同士の共有が進み、他者の考え方や経験に触れることで、新たな視点を得る場面が多く見られた。 対話会においても、マネジメント層が現場の課題や悩みを率直に共有しながら議論を行うことで、若手に対する認識の違いや関わり方のばらつきが可視化され、共通理解の形成につながった。
— Materials
若手研修+マネジメント対話会の3層接続設計図
やりがいの源泉を言語化するための自己理解フォーマット
若手の特徴理解と関わり方を議論するための問い集
— Results
若手向け研修・マネジメント向け対話会のいずれにおいても、満足度・理解度ともに高水準を維持。「現在の業務やキャリアに役立つ」との回答が多数を占め、行動変容や認識転換の手応えが確認された。
個人の意識変容にとどまらず、マネジメント層の関わり方の見直しまで波及したことが特徴的であった。アンケートからは、対話を通じた共通認識の形成が、現場での関わり方の再設計につながっていることが示唆された。
— Conclusion
本施策は、若手の「やりたい仕事」と「現実の業務」のギャップを起点に、個人の意識変容だけでなく、マネジメントの関わり方や組織の前提を含めて見直した取り組みである。 若手に対しては、「仕事は与えられるもの」から「自ら意味を見出し、工夫するもの」へと認識の転換を促し、マネジメントに対しては、「管理」から「強みを活かす関わり」へのシフトを促した。 さらに、初年度の実施にとどまらず、対象層や内容を調整しながら継続的に展開されたことで、単発の研修ではなく、組織における人材育成施策として定着しつつある。その結果、個人の仕事観の変化と、関係性・組織への波及が同時に生まれる取り組みとなった。
— Other Patterns
対象:入社4年目社員(約200名)
既存の1on1制度を活用し、研修後の行動変容までを設計。
対象:全社員(グループ会社含め約3万人規模)
理解から実践・定着までを一貫設計し、1on1からチーム対話へ進化させた4STEP施策。
対象:事業部全体(約800名)
リーダーの関わりと現場の対話を変え、EQトレーニングと併走させた2年計画の組織施策。
対象:全社員(講演)+管理職(リーダー研修)
2ヵ年計画で心理的安全性の共通言語化から関係の質向上へ。強み対話とチームキャンバスで部門間の分断を越える組織変革。
対象:入社1〜3年目の若手社員(約48名)
レジリエンスを起点に、若手社員のキャリア観と行動を変えた実践型研修。
対象:調査役補への昇格者(約160名)
2〜3時間の短時間設計で、レジリエンスを“知識”ではなく“使える力”へ。