
Editor / 執筆
株式会社ザ・アカデミージャパン
マインドセット研修・ハラスメント対策を強みとする人材育成・組織開発のコンサルティング会社
ザ・アカデミージャパンは、マインドセット系の研修を強みとし、心理的安全性・ハラスメント対策・レジリエンスなど、時代に求められるテーマをいち早く研修化しています。
本記事は、ガスライティングに関する国内外の研究・文献および現場での研修・組織開発の知見をもとに編集・執筆しました。
「ガスライティング研修」は、ザ・アカデミージャパンが提供するマインドセット起点の研修プログラムです。明確なハラスメント対策が進む一方で、相手の認識や自信を揺さぶり、 働きにくさを生む“見えにくい言動”が職場の新たな課題となっています。 本研修では、ガスライティングの構造や特徴を学び、誰もが無自覚に加害者・被害者になりうるリスクを理解します。 安心して働ける関係性と、心理的安全性の高い職場づくりにつなげるプログラムです。

ガスライティング研修
ガスライティングは、相手の認識や感情を揺さぶり、
自信や判断力を奪ってしまう見えにくいハラスメント。
無自覚な言動に気づき、健全な職場づくりにつなげます。

違和感に気づける
見えにくい圧力や否定のサインを早期に察知し、違和感に気づく力を育てます。

無自覚な言動を見直す
日常会話や指導にある、相手を不安定にする言葉を特定し、改善点を示します。

相談しやすい職場へ
不安や違和感を抱え込まず、声を上げやすい関係と仕組みづくりを進めます。

回復支援
傷ついた人が安心を取り戻し、必要な支援につながれるよう回復を支えます。

組織リスクを減らす
離職・不信感・ハラスメント相談の拡大を未然に防ぎ、健全な組織運営を支えます。
このページは、株式会社ザ・アカデミージャパンがハラスメント対策研修の現場経験をもとに作成した情報コンテンツです。ページ内にはガスライティング対策研修のご案内が含まれます。
What is Gaslighting
Definition / 定義
ガスライティングとは・・・
相手の現実認識・記憶・感情を継続的に歪めることで、「自分がおかしい」「自分が悪い」と思い込ませる心理的虐待の一形態。 明示的な暴言や暴力と異なり、行為の痕跡が残りにくく被害者自身が気づきにくいことが最大の特徴。
ガスライティングとは、相手の現実認識・記憶・感情を継続的に歪めることで、相手に「自分がおかしい」「自分が悪い」と思い込ませる心理的虐待の一形態です。
語源は1944年の映画『ガス燈(Gaslight)』。劇中で夫が妻の正気を疑わせるために、ガス灯を操作し続けたことに由来します。
職場においては、上司・部下、先輩・後輩、同僚間など、さまざまな関係で発生し得ます。明示的な暴言や暴力と異なり、行為の痕跡が残りにくく、周囲からも見えにくいことが特徴です。
また、受け手自身も「自分の受け取り方が悪いのではないか」と考えてしまい、問題として認識しづらい傾向があります。
日本の職場では、「パワハラ」や「モラハラ」の一種として表れることも多く、問題が水面下で長期化しやすいハラスメントとして近年注目されています。
だからこそ、ガスライティングの構造を正しく理解し、早期に気づける職場づくりが求められています。ハラスメント防止研修との組み合わせも有効です。

Academic Background
臨床・研究分野での定着
1970〜80年代の臨床心理学や精神医学の文献では、ガスライティングは家族問題や虐待の文脈で「相手の現実認知をゆがめる操作的な手段」として言及されるようになりました。
1990年代以降は心理的虐待の一種として認知が広がり、ロビン・スターンの著書『The Gaslight Effect』(2007年)などを契機に、一般にも知られる概念となりました。
Why Now
2022年4月、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の施行により、すべての企業にハラスメント防止対策が義務化されました。
これを受け、相談窓口の整備や社内規程の見直しが進み、いわゆる「一発アウト」な行為への対策は、多くの企業で一定の水準に達しつつあります。
ただ、現場の声を聞くと、問題はそこで止まっていません。違法とは言い切れないが、じわじわと働きにくくなる。そういったグレーゾーンの言動が、むしろ見えにくいまま長期化しているケースが増えています。その代表格が「ガスライティング」です。
この概念は米国で2022年の流行語に選ばれ、国内でもKOKUYOの「働き方用語辞典」2025年上半期の人気キーワード第1位に初めてランクインするなど、注目度が急速に高まっています。
2022
ハラスメント対策の義務化
パワハラ防止法がすべての企業に適用。企業には、明確なハラスメント行為を未然に防ぐ取り組みが求められるようになりました。
現在
グレーゾーンの言動が課題に
一発アウトの行為だけでなく、違法と断定しにくいものの、働きにくさや不信感を生む言動に注目が集まっています。
今後
ガスライティングへの理解と対応
相手の認識や感情を否定し、自己信頼を揺さぶるガスライティング。見えにくい心理的ハラスメントへの理解が、これからの職場づくりに求められています。
Common Misconceptions
職場における代表的なハラスメントであるパワハラ・セクハラ・マタハラでは、明らかに問題となる言動への理解と対策が進んできました。一方で、いま求められているのは、違法と断定しにくい"グレーゾーン"の言動に気づき、適切に対応する力です。
こうした時代背景の中で、特に注目されているのが、ハラスメントの一種であるガスライティングです。巧妙で陰湿、かつ証拠が残りにくいという特徴を持ち、より複雑で見えづらいハラスメントとして取り上げられています。
明確な暴言や攻撃的な態度とは異なり、ガスライティングは、相手の内面にじわじわと入り込み、記憶や感情、判断を揺さぶりながら、気づかれないうちにコントロールしようとするコミュニケーションです。そのため、外からは気づかれにくく、職場や人間関係のなかで静かに蔓延しやすいのがガスライティングの厄介な点です。
明らかにアウトな行為とガスライティングの違い
| 明らかにアウトな行為 | ガスライティング | |
|---|---|---|
| 行為の見えやすさ | 明確な言動が多く、比較的目に見える | 些細な操作や否定の積み重ねで構成されるため、非常に見えにくい |
| 気づきやすさ | 誰が見てもNGと判断されやすく、気づきやすい | 解釈によっては善意や配慮にも見えるため、気づきにくい |
| 持続性 | 一時的・断続的で成立する | 長期的・継続的に繰り返されることで成立する |
| 目 的 | 優位な立場から自分の正しさを押しつけ、相手を服従させる | 相手の自信・判断力を奪い、内側からコントロールしようとする |
| 被害の影響範囲 | 業務の停滞や職場環境の悪化など、主に仕事上に限定される | 自尊心や自己肯定感、感情の安定に深刻なダメージを与え、私生活を含む心身全体に影響が及ぶ |
Why Hard to Notice
「それは言いすぎです」「こんなことを言いました」という明示的な証拠が残りにくく、第三者から見ても「普通のやり取り」に映ることが多い。
「気のせいかも」「自分が悪いのかも」と被害者自身が思い込む。そのため相談に至らず、長期にわたって水面下で被害が続く。
上司-部下の関係における権力差が、被害者の「声を上げにくさ」を増幅させる。加害者が高い評価を受けている場合はさらに発見が難しい。
「明らかな証拠がない」「被害者が確信を持てない」
だからこそ、組織が学習し、アンテナを立てておくことが不可欠です。
Five Patterns & Cases
ガスライティングは、日常の指導・確認・相談対応の中でも起こります。
ここでは、職場で見られやすい5つの言動を、具体的なシーンとあわせて紹介します。
「そんなこと言ってない」
出来事や発言を否定し、相手の認識を揺さぶる。
Scene
面談で「次の昇格に推薦する」と約束されたが、半年後に「そんな約束はしていない。あなたの勘違いでは?」と否定された。
起きる変化
メモを取っていなかった自分を責め、上司への信頼を完全に失った。転職を検討し始めた。
「気にしすぎ」
不快感や違和感を軽視し、本音を言いにくくする。
Scene
先輩から毎日細かいことで怒鳴られていると上司に相談。すると「あの人はあなたのことを思ってやってるだけ。気にしすぎじゃない?」と言われた。
起きる変化
自分が繊細すぎるのかもしれないと思い始め、相談することをやめた。その後も状況は改善されなかった。
「前もそう言った」
伝えてない内容を既成事実化し判断力を揺さぶる。
Scene
プロジェクトで上司の指示通りに進めたところ、問題が発生。報告すると「そんな指示はしていない。あなたが勝手にやったんでしょ」と言われた。
起きる変化
自分の記憶が間違っているのかもしれないと思い始め、以降は何でも二重確認するようになったが、それでも「確認が足りない」と責められる。
「みんなそう思ってる」
周囲の意見を利用し、相手を孤立させる。
Scene
業務量の多さを上司に伝えると「チーム全員が同じ不満を持っているよ。でも誰も言わないのは、みんなそれが普通だと思っているから」と言われた。
起きる変化
周囲に確認することもできず、自分だけが弱いのだと思い込んで孤立感が深まった。
「あなたのせいだ」
問題の原因を相手にすり替え、自責感を強める。
Scene
上司主導で進めた戦略が失敗。振り返り会議で「あなたが当初から反対しなかったから、こうなった。あなたにも責任がある」と言われた。
起きる変化
以来、何も意見を言わなくなった。意見を言っても責任を取らされると思うようになり、主体性が失われた。
どの事例も「普通の職場にあるやりとり」に見えます。これがガスライティングの最大の特徴であり、最も恐ろしい点です。 被害者は「自分がおかしいのかも」と思い込み、一人で抱え込んでしまいます。
Organizational Impact
被害者への影響
チーム・組織への影響
ガスライティングの被害は、早期に対処しなければ複合的なダメージをもたらします。メンタル不調による休職・離職だけでなく、組織の信頼関係・心理的安全性の崩壊につながります。 見えないうちに対策を打つことが、組織防衛の観点からも重要です。
ガスライティングは「見えないハラスメント」だからこそ、
私たちは知識と察知力を組織に届ける研修が必要だと考えています。
Our Framework
Our Approach
EQ × Gaslighting
ガスライティングが難しいのは、「感情」と「現実認識」が攻撃対象になるからです。ザ・アカデミージャパンでは、EQ(情動知能)——感情を知覚・理解・制御する力——を研修の軸に置きます。
感情のサインを読む力こそが、見えないハラスメントを察知し、自分と周囲を守る最初の一歩になる。
単なる知識インプットで終わらせず、対話と内省を通じて感情知性を育てる——これがザ・アカデミージャパンのアプローチです。
STEP 1
知識(理解)ガスライティングの構造を知る
EQの観点から、ガスライティングがなぜ感情・記憶・現実認識に働きかけるのかを理解します。「これがそうだ」と気づける知識基盤を構築します。
STEP 2
察知(発見)感情のサインから兆候を察知する
違和感・不快感・自己不信感——EQの自己認識・他者認識を活かし、感情のサインを言語化しながら、被害の初期段階で気づける察知力を育てます。
STEP 3
対応(行動)EQをベースに、対話で対応する
傾聴・アサーション・感情調整——EQスキルを活かした対話で、被害者を支援し状況に対処します。感情的にならず、誠実で率直に動く力を鍛えます。
STEP 4
予防(仕組み)感情知性が機能する組織文化をつくる
安心して話せる関係性と仕組みが、ガスライティングの発生を根本から防ぎます。心理的安全性を土台に、感情的知性が機能する組織風土を設計します。
正直に言うと、この研修をしても、職場のガスライティングがゼロにはなりません。
でも、気づける人が一人増えることが、最初の変化だと考えています。
誰もが働きやすい職場をつくるためには、まずガスライティングを正しく理解し、早期に気づき、対話を通じて解決する力を育むことが大切です。
Expected Effects
早期発見力の向上
被害者や加害者の言動パターンを知ることで、管理職や周囲が早期に気づけるようになる。
被害者への適切な対応
「気のせいでは?」ではなく、被害者の認識を尊重し、適切に傾聴・支援できるようになる。
組織としての対応力
人事・管理職が連携した対応プロセスを整え、問題が深刻化する前に対処できる体制を構築する。
ハラスメントリスクの低減
見えにくいハラスメントへの感度が高まり、組織全体のリスク管理精度が向上する。
離職率・メンタル不調の改善
水面下で進む被害の早期発見により、メンタル不調・離職を防ぎ、健全な職場環境を守る。
心理的安全性の回復・強化
ガスライティングが起きにくい、誰もが安心して話せる職場風土の構築につながる。
Target Audience
このガスライティング研修は、特に以下のような立場・役割の方に大きな効果を発揮します。
管理職・チームリーダー
察知と対応を担う立場として、早期発見・被害者支援・組織報告の力を養う。
人事・労務担当
相談対応の専門性を高め、見えにくいケースへの対応力・予防知見を習得する。
ハラスメント相談窓口担当
「なんとなく変」を言語化し、適切なエスカレーションと支援につなげる。
全社員(認知形成)
被害者・周囲の立場でガスライティングを認識し、抱え込まない組織文化をつくる。
Recommended Organizations
Sample Program
標準的な半日(3〜4時間)の進行例です。1日(6〜7時間)版など、時間や対象に応じてカスタマイズ可能です。
※研修内容・時間・人数はご要望に応じてカスタマイズ可
ガスライティング研修の効果は、ハラスメント防止研修・心理的安全性研修・メンタルヘルス研修と組み合わせることで最大化します。単体でも、体系的なプログラムの一環としても設計可能です。
Program Overview
PURPOSE / 研修の目的
職場で見えにくい心理的支配(ガスライティング)の構造を理解し、察知・対応・予防の力を高め、健全な関係性と組織を守る。
NOT COVERED / 扱わないこと
※研修内容・時間はご要望に応じてカスタマイズ可能です。お見積り・ご相談は無料で承ります。
References

回復へのプロセスを7つのステップで体系化
著者:デボラ・ヴィナール(著) 上田勢子(訳)
出版社:明石書店(2025)
画像出典:出版社公式サイト、Amazon商品ページ等
Frequently Asked Questions
現在つらい状況にある方へ:職場でのガスライティングや心理的ハラスメントに悩んでいる場合は、一人で抱え込まず、社内の相談窓口・産業医、または厚生労働省の総合労働相談コーナーなどの外部機関にご相談ください。
About This Article
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Editor / 執筆
株式会社ザ・アカデミージャパン
マインドセット研修・ハラスメント対策を強みとする人材育成・組織開発のコンサルティング会社
ザ・アカデミージャパンは、マインドセット系の研修を強みとし、心理的安全性・ハラスメント対策・レジリエンスなど、時代に求められるテーマをいち早く研修化しています。
本記事は、ガスライティングに関する国内外の研究・文献および現場での研修・組織開発の知見をもとに編集・執筆しました。
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