従業員エンゲージメントの本質とは

エンゲージメント向上は喫緊の課題
「エンゲージメント」という言葉には様々な意味がありますが、端的にいえば、仕事や会社に対するワクワク感、幸福感、働きがいのことです。日本では、働き方改革において本来目指すべき姿“労働生産性と意欲の向上”に向かう指標、そして優秀な若手社員や経験豊富な中堅社員の離職防止の指標として、近年注目されるようになりましたが、海外では十数年前から活用されている概念です。
米国最大の調査会社で、エンゲージメントの概念を提唱したギャラップ社の「エンゲージメント・サーベイ」によると,全世界1,300万人のビジネスパーソンを調査した結果、エンゲージメントの高い企業(調査における上位25%)は、低い企業(同じく下位25%)と比べて、次の違いがあったとされます。
・出社拒否が37%低い
・離職率が49%低い
・品質欠陥率が60%低い
・生産性が18%高い
・顧客満足度が12%高い
・利益が16%高い
日本は,2019年の世界幸福度ランキングで156ヵ国中58位という状況にあります。これはG7ではもちろん、G10でも断トツの最下位です。またギャラップ社による従業員のエンゲージメント調査でも、139ヵ国中132位という結果ですから、生産性を高めるためにも従業員エンゲージメントの向上は喫緊の課題といえるはずです。
エンゲージメント向上に大切なたった1つのこと
エンゲージメントを高めるには,どんなHOW(方法)があるのでしょうか。一般的には、コンサルティング会社が提供するエンゲージメント調査で現状把握を行って組織課題を明確にし,推奨される人事制度や研修プログラムを実施する、という方法があります。最近の代表的な制度として「1on1ミーティング」があったり、代表的な研修として「サーバント・リーダーシップ」があったりします。さらに面白い取り組みでいうと、社員で社歌をつくったりする企業もあるようです。
もちろんこういった取り組みは大切ですから、ぜひ継続していただきたいところですが、本質を見失い、HOWばかりに目を奪われると、従業員にとって働きやすい職場はできても、働きがいは感じられない職場になってしまうことがあります。
そもそもエンゲージメントを高める本質とは何でしょうか。日々エンゲージし(やりがいを感じ)高いパフォーマンスを上げている従業員たちを対象とした私たちの調査で、「仕事において、本当にやりがいを感じた瞬間はどんなときか?」と尋ねたところ、その回答は,おおよそ「目標達成」「自分らしさ」「仲間」「承認・貢献」「成長」という5つのキーワードに集約することができました。ストレッチした目標を掲げ、その途中で失敗や挫折に直面しながらも、自分らしいやり方と周囲のサポートで乗り越えることが、結果としてお客様からの承認や社会への貢献につながっていく、そうした経験を通じて成長を実感したときに、人は「仕事の本当の面白さ(働きがい)」を感じる、ということです。言い換えれば、質の高い職務経験、ジョブ・エクスペリエンスなくして、エンゲージメント向上はありえないのです。
労働力人口が減り続けるなか、日本企業には従業員1人ひとりの労働生産性向上が求められています。今後、エンゲージメントを高める様々な施策が打ち出されると思いますが、その本質を見失わず、働きがいを感じられる職場作りを目指してください。
もちろん私たちも、そういった職場作りのお手伝いを続けていきたいと考えています。月曜日の朝、ワクワクしながら仕事場に向かう従業員がたくさんいる会社と社会にしていきたいものです。
(月刊 人事マネジメント 2019年8月号 HR Short Message より)
筆者のご紹介
著者
AJ編集部
Contact
貴社の組織課題、一緒に考えます
この記事のテーマに関する研修を、貴社に合わせてご提案します。
まずはお気軽にご相談ください。
Related Trainings

