コラム一覧に戻る
寄稿

窪田講師執筆『月間総務』企業内大学制度~社内講師の育て方~ vol.2

窪田 晃和2025/04/25
窪田講師執筆『月間総務』企業内大学制度~社内講師の育て方~  vol.2

社内講師の選定と育成・機能化させるポイント

ここからは、内製化の鍵を握る社内講師の育成方法、プロセスです。私たちがこれまでに携わってきた研修内製化コンサルティングの中で、特に大切と思われるポイントを簡単に解説します。

社内講師の選定ポイント

基本的には、「書類審査」もしくは「他者推薦」→「面接」→「トレーニング」といった流れになります。自分にはどんな研修ができるかなどを基に、社員に手挙げ式で立候補をしてもらう、あるいは、テーマによっては氏名や他者推薦で決めていくことも必要でしょう。

では、書類や面接で何を見るのか。それは一言でいえば「想い」の強さです。「みんなに~を伝えたい!」「~といったスキルを提供したい!」という想いです。提供したいノウハウに関するそれなりの実績は必要ですが、役職や年齢、性別などは一切問いません。そして、これが肝心ですが、レクチャースキル(話し方)、ファシリテーションスキル(運営力)などは最低限あればいいということもポイントです。話のうまいヘタというものは、後からコツを押さえたトレーニングをすれば、身につけられるものだからです。それ以上に、貢献欲求や成長意欲の強い人であることが、講師候補を選定する基準として大切なのです。

選ばれた講師候補には、トレーニングを提供します。理想的なのは、人事・研修の担当チームが、レクチャーやファシリテーションスキルで圧倒的なものを身につけ、それを付与していくことです。それは、人事・研修担当チームの価値を高めることにもつながります。そこにはまだ難しいという場合は、社内講師力トレーニングを得意とする外部講師を活用することで補いましょう。

育成・機能化させるポイント

おもしろいことに、社内講師担当時に金銭の報酬を設定するより、ボランティア的に担当してもらった方が、実は内製化が機能するケースが多くみられます。理由はさまざまありますが、社内講師を実際に担当している方々に良かった点を聞くと、「自分のノウハウをまとめて発信することで、自分自身が成長できた」「受講者とだけでなく、レベルの高い社内講師仲間とネットワークを築けた」「受講者の方々から感謝の言葉をもらい仕事へのやりがいが一層高まった」という声が圧倒的に多いのが事実です。したがって、金銭的な報酬の代わりに、社内講師が学び続ける場をどうデザインするかが大切なポイントになります。

プロ講師から学んでスキルを高める場、人事・研修の担当チームを交えて受講アンケートなどを共有して自身の研修のチェックアクションができる場など、状況に応じて作っていくことが重要となります。

また、スモールスタートを切ることも大切です。研修内製化・企業内大学制度などというと、重たく感じてしまって、まずしっかりとした大々的なプロジェクトチームを立ち上げ、壮大な企画を練り上げ、緻密な計画に落とし込み・・・・などと考えすぎて、腰が重たい状態になりがちです。たとえば、まずマナー研修を内製化してみよう、といった小さい目標を設定し、行動してみる。そして試行錯誤しながら内製化を動かしていこうというふうに、気軽に取り組んでみると結果的にうまくいくことにつながるようです。

もし研修内製化に興味があれば、まず何かしら行動してみるとよいでしょう。

事務局(管理部門)側が陥りやすい落とし穴とは

多くの企業を支援する中で、管理部門を中心に研修の内製化を推し進めていく時に管理部門の人たちが無意識に陥りやすい落とし穴の5つが下記の通りです。

<落とし穴❶>顧客最適ではなく会社最適で研修の内製化を推し進める

<落とし穴❷>対話の相手が現場からだけではなく、同部門の人や外部講師・コンサルタントになる

<落とし穴❸>研修の内製化を推し進めていくと、研修の内製化自体が手段ではなく目的になる

<落とし穴❹>管理部門が実践者でなく、企画者になる

<落とし穴❺>研修の内製化による効果の指標を明確にしないまま進める

研修の内製化を推し進める時には、これら5つの落とし穴を意識して取り組んでみて下さい。管理部門を中心に行う研修の内製化が、社内で一時的なもので終わるのではなく、他部門から賞賛され、定着(継続)することが理想です。


著者のご紹介

About the Author

窪田 晃和

Instructor

窪田 晃和

エグゼクティブトレーナー / 日本プロフェッショナル人材開発支援協会理事

1974年埼玉県生まれ、立教大学出身。子ども向け教育教材の営業でトップセールス、マネジャー を経験。その後、現場感覚に寄り添う研修講師・コンサルタントとして、20年以上に渡り研修講師や組織開発コンサルティングを行う。官公庁、メーカー、IT、人材サービス、非営利法人など幅広い業界にお役立ちを提供。特に実践版レジリエンス研修では、日本一の導入実績・評価を誇る。専門領域はレジリエンス、心理的安全性、それらを生み出すリーダーシップの発揮。また、…

著者

窪田 晃和

Share this article

Contact

貴社の組織課題、一緒に考えます

この記事のテーマに関する研修を、貴社に合わせてご提案します。まずはお気軽にご相談ください。