働き方改革とともに、大手企業を中心に導入が進むエンゲージメント
エンゲージメントの高いチームのつくり方
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エンゲージメントとは…
端的にいうと、エンゲージメントとは仕事や会社に対するワクワク感、幸福感、働きがいのことです。このエンゲージメントは、日本国内でも働き方改革で本来目指すべき姿”労働生産性と意欲の向上”に向かう指標として、また、優秀な 若手社員や経験豊富な中堅社員の離職防止の指標として活用されはじめ、世界中の企業で注目されているキーワードです。
エンゲージメントの概念を提唱した米国最大の調査会社ギャラップ社の「エンゲージメント・サーベイ」によれば、全世界1300万人のビジネスパーソンを調査した結果、エンゲージメントの高い企業(調査のトップ25%の企業)は低い企業(ボトム25%)に比べ、下記の違いがあることが分かっています。
・出社拒否が37%低い ・離職率が49%低い ・品質欠陥率が60%低い
・生産性が18%高い ・顧客満足度が12%高い ・利益が16%高い
しかし、日本企業は世界的に見てもエンゲージメントのスコアは著しく低く、エンゲージメント向上は喫緊の課題といえます。
- 日本企業はエンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合が6%
- 日本は調査した139カ国中132位 参考:米国は上記が32%
- 関連した調査で「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%
エンゲージメントの高いチームとは…
― エンゲージメントの低いチームは、チーム風土(感情)が低い!?
チームのエンゲージメントは、何名かのメンバーが一緒に仕事をしながら醸し出す「チーム全体の感情特性」です。 そのため、様々な要因によって大きく変動します。 感情は伝染するものであり、チームはメンバーの感情をさらに増幅させる機能があると言われています。
従って、想定外のトラブルや失敗によって生まれるメンバ一ひとりの感情の落ち込みは、他のメンバーと一緒にいることで、さらに大きくなる可能性があります。その結果、メンバーひとりの精神的な落ち込みよりも更に厳しい落ちみ状態「下降スパイラル」が チームに生まれてしまいます。
― 下降スパイラルを底打ちするには!?
逆に「このトラブルを何とか乗り越えていこう!」という気持ちを奮い起こせる誰かがいれば、 上述の「下降スパイラル」に歯止めをかけることが可能になります。 「何とか乗り越えていこう!」という意気込みは、少なからず周囲のメンバーたちの感情にプラスの影響を与えていきます。
落ち込んだままの状態を好む人は少なく、気分とは別に理性の部分で「なんとかしなくては」と感じています。 そんなときにレジリエンスを発揮する誰かがチーム内にいることで、「よし!私も」のポジティブ連鎖が生まれ、 「下降スパイラル」から「上昇スパイラル」へと、軌道に乗ることができるのです。
もちろん、現実はそんなに簡単ではなく、想定外のトラブルに直面したチームでは、メンバー全員が落ち込み、 たとえ「さぁ、顔をあげてがんばろう!」と声をかけても誰も応えてくれないこともあると思います。
ここで重要なのは、そうした沈滞したチーム状態でも、折れることなく復活と上昇に向かって行動を起こす人が チーム内にいるということです。
― 上昇スパイラルの起点づくりができるのは管理職!?
それでは、その上昇スパイラルの起点をつくることができるのは誰なのか?
それは、チーム風土(感情)に50~70%の影響を与えると言われる管理職です。復活と上昇に向かって自らが行動を起こす人になる、もしくは、他のメンバーが行動を
起こしやすい雰囲気をつくることができるのは管理職なのです。
しかし、管理職が従来通りのマネジメントという役割をさらに強化してもチーム風土(感情)を高めることはできず、逆効果です。エンゲージメントを高めるには、新たなスタイルへ 果敢に挑戦していかなければなりません。つまり、管理職の変革が求められているのです。
エンゲージメントを高める3つのKEY
チーム風土に目を向ける
チーム風土は業績との間で約30%の相関がある。組織開発のアプローチとして、効率性・安定を追求した上図(左)のチーム体制づくり(役割分担やマネジメントシステムなど)と上図(右)の創造性・変化を追求したチーム風土づくりの2つの大きな方向性があるが、エンゲージメントを高めるには 後者のチーム風土に目を向ける。
変化の激しい今の時代、逆境や困難をしなやかに乗り越えられるチーム力が求められ、近年、チーム風土づくりに重きをおく企業が増えている。
また、目には見えにくいそのチーム風土が高い・低いを測定するツールとしてエンゲージメント調査を取り入れる企業も増えてきている。
チーム風土へ70%の影響を与える管理職に目を向ける
管理職はチーム風土との間で約50~70%の相関があり、 チーム風土を高めるには、影響度の高い管理職に目を向ける。
エンゲージメントを高めるには、上図(左)の 「部下の行動を管理し、スキルを指導する。そして、決まったことを確実に実行するための仕組みを構築できるような管理職」ではなく、上図(右)の「メンバーの 感情に寄り添い、価値観を引き出せる。そして、チーム風土(チームの一体感)を醸成できるような管理職」が求められている。
前者のスタイルは、部下の「Have to(やらされ感)」を増大させ、後者のスタイルは、メンバーの「Want to(やりたい感)」を引き出す。
カリキュラム
時 間 |
カリキュラム |
---|---|
14:00 |
①今注目のエンゲージメント |
・なぜ今、エンゲージメントなのか | |
・エンゲージメント向上の山登りプラン | |
②エンゲージメントを高めるためのアプローチ | |
・土台となる心理的安全性を築く | |
・感情:ひとりの人間として気にかける | |
・強み:最も得意なことをする機会を与える | |
➂質疑応答/アンケート | |
17:00 |
終 了 |
講師のご紹介
- 窪田 晃和 氏(くぼた てるかず)
- ザ・アカデミージャパン エグゼクティブトレーナー
- 一般社団法人 日本プロフェッショナル人財開発支援協会 理事
- 1974年埼玉県生まれ、立教大学出身。子ども向け教育教材の営業でトップセールス、マネジャーを経験。その後、現場感覚に寄り添う研修講師・コンサルタントとして、15年に渡り、200社、20,000人を超える人材育成に関わる。現在は、株式会社ザ・アカデミージャパンのエグゼクティブ・トレーナーとして、官公庁、メーカー、IT、人材サービス、非営利法人など幅広い業界にお役立ちを提供。特に実践版レジリエンス研修では、日本一の導入実績・評価を誇る。専門領域はレジリエンス(折れない心)、エンゲージメント(活き活きワクワクした働き方)、それらを生み出すリーダーシップの発揮。また、著書「社内講師力トレーニング(生産性出版)」にて、学習する組織づくりに向けた研修内製化のノウハウも伝えている。目標は、熱い想いの人事担当者やプロ講師を巻き込み、日本発の、世界で通用する人材育成プログラムを開発を通じ、社会に貢献すること。
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